スポーツ自転車に乗り始めてからは8年程度経つが、これまで多くのカスタムをいうのを経験してきた。
より「楽に」「軽快に」走れるようにするためのカスタムはもちろん、振動吸収性アップなどの「乗り心地をよくする」ためのカスタムも沢山してきた。
今回の記事はその「乗り心地を良くする」ためのカスタムの代表格である、ハンドルグリップ交換についての記事だ。
ハンドルグリップ界では非常に有名&高級品である「エルゴン」(ERGON)グリップの紹介だ。
はっきり言って価格は高いですが非常に人気のあるハンドルグリップです。
価格に見合う価値があるという事です。
抜群の握り心地を誇る高級自転車ハンドルグリップ
おそらく自転車好きの人でエルゴンを知らない人は少ないのではないだろうか。
そのくらいにハンドルグリップ界では有名なブランドだ。
私がよく行くワイズロードというスポーツ自転車ショップに行くと、ハンドルグリップのコーナーにはこのエルゴンブランドだけでもずらっと多くの種類が並ぶ。
そのお店のハンドルグリップコーナーの最も多くの面積を占めている。
同じエルゴンでも「形状」「硬さ」「太さ」「長さ」「エンドバーの長さ」「デザイン」といった所で数多くの種類に分かれる。
おそらく初めて見る人はエルゴンだけでも色々とありすぎて、何が何を表す言葉なのか分からない事も多いと思う。
エルゴンについて具体的に書いていこうと思う。
エルゴグリップとエンドバーという組み合わせ
筒状のグリップを使っている人も多いと思う。
ただ、筒状のグリップで長時間走っていると手が痛くなりやすい。
そういった人がエルゴグリップ&エンドバーという組み合わせのハンドルグリップを使ったら、大幅に手が楽になったと感じるだろう。
こういった形のグリップをエルゴグリップというが、これは手のひら部分で手が支えられるため、手首に負担がかかりにくくなり疲れや痛みが発生しにくい。
グリップを握った時の手首の角度が、疲労しにくい、負担の掛かりにくい角度に決まるというのが画像を見てお分かり頂けると思う。
私が紹介しているのはエルゴグリップ形状をしたERGON(エルゴン)という名前のグリップという事だ。
そしてそこにエンドバー(グリップ端の角のような部分)が付くためさらに快適になる。
次にエンドバーについて具体的に書いていこうと思う。
なぜエンドバーを使うと手が痛くなりにくいのか
立ち上がった状態で一度手をだら〜んと脱力して下ろしてみる。
その状態から自分の前にハンドルバーがある事を想定して手を前にすっと脱力したまま伸ばす。
その時手のひらはどちらを向いているだろうか?
人間の体の構造上、必ず手のひらは内側を向くはずだ。
この時点でもうエンドバーがなぜ有効かというのは想像出来るかとも思うが、
要するに人間の体の構造上本来の自然な手の向きでバーを握れるため、手首などに無理な負荷がかからず疲れにくくなる、痛めにくくなるという事だ。
ただエンドバーを握るとブレーキが握れなくなるため、手を休めたい時などに安全の範囲内でエンドバーを握るという使い方になる。
エルゴグリップ部とエンドバー部を行ったり来たりする感じだ。
グリップ部分を握る時の手の向きというのは体の構造上、自然な向きでは無いため長時間続けていると必ず痛くなるし疲れる。
私が使ってきたエルゴン(ERGON)グリップの紹介
まずは私が使ってきたエルゴン(ERGON)グリップを3つ紹介。
一つ目がGS1のSサイズ。
二つ目がGS2のSサイズ。
最近購入した3つ目がGP2のLサイズだ。
長さは全てロング/ロングで購入。
とはいっても初めて見る人は、
おじさま
じーぴ?GS?Lサイズ?Sってなぁ~に?
ほんでロング/ロングってなんじゃ!?んお!?
1とか2の違いは!?5とかもあるのん!?
ンゴ
となるだろう。
何のこっちゃ分からないと思うので順に説明させて頂こうと思う。
GPとGSの違い
実際にはGPとGS以外の種類もありますが一番代表的なモデルであるGPと、そのGPと比較されることの多いGSシリーズについて書いていこうと思います。
他のシリーズについても知りたい方はERGON公式サイトをご覧ください。
GPとGSには簡単に言うとグリップのゴム質の硬さに違いがある。
- GPシリーズ
GSと比較してグリップが振動吸収性の高い柔らかいゴム質になっている。
振動吸収性の高さで路面状況は手に伝わりにくくなるが街乗りやロングライドに非常に向いている。
エルゴンシリーズの基本であり、一番代表的とも言える人気シリーズだ。
- GSシリーズ
GPと比較して硬く、振動吸収性は若干落ちるが走っていると微妙な路面状況の違いが手に伝わってくる。
レース用と言われている。
このような違いがある。
私も両方使用してきたが、GSシリーズもGPと比較したらグリップが硬くて振動吸収性が落ちるという話で合って、GSシリーズでも手への衝撃や振動というのはしっかり和らげてくれるという印象。
私自身としても程よい硬さでしっかりと握れる感があり、GSの感触も好きだったので私はとりあえずGSから入った。
硬めのグリップが好きという人にはGSがおすすめだ。
そして一番最近ではGPシリーズを購入したが、やはり走る距離がロングになるほどGPの振動吸収性のありがたみは大きいというのが分かった。
乗り心地、振動吸収性重視の使い方をしたい人にはGPシリーズの方がやはりおすすめだ。
さすが一番代表的なシリーズのGPシリーズだと感じた。
ショート・ロングの違い
ここがかなり紛らわしいなと感じた。
なぜなら後に紹介するが、エルゴングリップには「Sサイズ・Lサイズ」の違いもあるからだ。
初めて見る人は、Sサイズが「ショート」の頭文字を取って「S」、Lサイズも同様の理由で「ロング」だから「L」と思っても仕方ない。
しかし「Sサイズ」が意味する事と「ショート」が意味する事は別物、同様にLサイズと「ロング」も別の事を意味する。
ショート・ロングが意味する事はグリップの「長さ」の事だ。
横幅といった方が分かりやすいかもしれない。
私はクロスバイクや電動クロスバイクのために使用してきたが、全てロング/ロングで購入。
ちなみに「ロング/ロング」と2回ロングという言葉が繰り返されているが、これは左右のグリップ両方がロングであるという事だ。
例えば「ロング/ショート」であれば左グリップがロングで右グリップがショートであるという事。
エルゴンには「ロング/ショート」の組み合わせもあるのだ。
ショートは何のためにあるのかというと、「グリップシフト」に合わせて使うためだ。
ハンドルグリップ横のシフターをグルグルと回しながらシフトチェンジする「グリップシフト」。
今はママチャリで使われているのをよく見るのではないだろうか。
画像のように私のママチャリもグリップシフトです。
以前はクロスバイクでもグリップシフトの物があったが、最近のクロスバイクなんかではレバーを親指や人差し指でカチカチと操作する「トリガーシフト」が使われている場合がほとんどだと思う。
これは私のTB1eという電動クロスバイクに付いているトリガーシフト。
ちなみにエルゴンのロングを実際に取り付けています。
クロスバイクに使うのなら、私のようにロング/ロングになる場合が多いだろう。
Sサイズ・Lサイズの違い
私が一番最近購入したエルゴンは「Lサイズ」だが上記は「Sサイズ」の物の内の一つ。
SサイズとLサイズの違いは、グリップを握った時の「太さ」だ。
Lサイズの方がより太く、径の大きい物を握っているという事。
極端な例で例えるなら、
ゴボウ(細い)を握っているか、
大根(太い)を握っているかの違いという事です。
公式の説明では握った時の太さが約10mm変わるとの事。
メーカーとしては手の大きさや指の長さでサイズを選んでくださいと説明している。
私としては両サイズ使った事があるが、ここは正直どちらにも別の利点があると感じた。
確かに個人個人の手の大きさ次第でも合う方は変わってくる。
私は大きくも無く小さくも無い至って普通の成人男性の手の大きさをしているが、Sサイズの方がしっかりと握りこめる感覚があり、場面によってはそのほうが走りやすいと感じる部分もあった。
上り坂走行なんかは特にギュっとハンドルを握りたい場合もある。
しかしLサイズの方が太い分ふわっと握れる感覚で、手への衝撃を手全体により分散してくれているという感覚。
ここは手の大きさや指の長さ、またはそれぞれの好み次第といった所だと感じる。
一般的な成人男性の手の大きさなら、正直どちらのサイズでも問題無いと思います。
GPやGSの後の「1」や「2」の数字が示すもの
GPやGSの後に付いている「1」や「2」の数値。
これは1~5まである(GSの場合は1から3まで)。
これが意味する事はエンドバーの長さだ。
数字が大きいほど長く大きなエンドバーになっていく。
グリップ部分もメーカーがこだわったエルゴグリップ形状で手の疲労軽減に非常に役立つが、
エンドバーが付いているとさらに手が疲れにくくなる。
エルゴグリップとエンドバーの組み合わせは最高だ。
この組み合わせが最高という理由は先述した通り。
「1」の場合はエンドバー無し。
「2」は最も短いバーエンド。
私の場合は「2」の長さで十分だと感じたのでお気に入りです。
長い物より重量が軽くなり、見た目がスマートで気に入ってます。
ただし私はあえて短めの「2」を選んだだけなので、しっかりとエンドバーも握りたいという方は「3」以上の長さがおすすめだ。
そして「5」が最大のバーエンド。
「5」はまるで何かの動物の角のようだ…。
ただ握り方のバリエーションはグッと増えるので
手の疲労軽減には非常に役立つと思います。
ちなみに「5」は価格にも角が生えたように高くなる。
ママチャリ1台買えてしまうお値段だ。
あ~らぁ…お高級なお値段ざますねぇ…
手のべたつきが発生しにくいバイオコルク素材の物もある
ハンドルグリップというのは長く使用しているうちにだんだんとベタツキが発生しやすくなる。
エルゴンには「バイオコルク」素材を使用している種類もあり、手の触感が優しくべたつきも発生しにくいと言われている。
デザイン的にも車種次第では非常におしゃれになりそうだ。
エルゴンはグリップ部とエンドバー部分で別々に角度を決められる
私は価格の安い物で済ませたい場合は下記のエンドバー付きエルゴグリップを使用している。
やはりGPの振動吸収性に比べたら劣る物があり、手が若干疲れやすく感じるという点はある。
とはいえ価格の割には十分良い物と感じたのでおすすめ出来るものだ。
しかしこの安いグリップにはエルゴンと大きな違いがある。
それはエルゴンと違ってグリップ部分とエンドバー部分が完全に繋がっており、それぞれを別々に分けての角度調整が出来ないという事だ。
エルゴンはこれが出来るというのが非常に良い点。
グリップ部分の角度とエンドバー部分の角度をそれぞれに分けて自分好みの角度に調整する事が出来る。
上記2枚の写真はグリップ部分の角度は変えずにエンドバー部分のみ角度を変えている状態。
グリップ部分を自分好みの角度に決めながら、エンドバー部分はエンドバー部分で別途角度を決める事が出来る。
私おすすめのエルゴンの選び方(GP3を基本として選ぶ)
多くの種類があるエルゴン。
どれを選べば良いのか特にエルゴンを初めて買う人は迷ってしまう事もあると思う。
実際に複数種類のエルゴンを使いお店でも沢山のエルゴンをお試ししてきた、あくまで私個人のおすすめのエルゴンの選び方にはなるが、エルゴンのどれを買えばいいか迷ってしまう人は「GP3」を基本として選ぶのが私のおすすめだ。
「ショート」・「ロング」や、「S」・「L」のサイズに関してはこの記事で書いてきた事も参考にしてそれぞれの都合に合った物を選んで頂ければと思う。
トリガーシフトのクロスバイクの人がほとんどかと思うので、「ロング」になる人が多いと思います。
ちなみに至って普通の成人男性の手の大きさである私の場合、サイズは「S」でも「L」でもしっくりきますが、一番最近私が使っている物では「L」を選んでおります。
この記事を見て頂いている方には、
おじさま
手がしんどいねん…
腕もしんどいねん…
こういった悩みを抱えている人が多いかと思う。
こういった手や腕の「しんどさ」を和らげる目的で考えると、やはりおすすめはGSシリーズよりもエルゴンの代表的モデルであり振動吸収性に優れるGPシリーズ。
エンドバーが付かないタイプもあるが、先述してきたように疲労軽減のためにはエンドバーは付けるのが断然おすすめ。
そして個人個人の手の大きさにもよるが、一般成人男性がしっかりと疲労軽減のためにエンドバーを握るためには「3」以上の長さがおすすめ。
ただし「3」よりも上の長さの「4」や「5」だと価格もより高くなるし、重量も重くなるし、見た目もイカつくなる(見た目は好みだが)。
「3」のエンドバーの長さであれば、手や腕を休めるためには十分な長さになるという人がほとんどかと思う。
「3」は、機能性、価格、重量、見た目、のバランスが良い。
私の場合は見た目がさらにスッキリとしているのを主な理由にGP「2」を選びました。
「GP3」を基本とし、エンドバーの見た目はもっとスッキリしている方が良いから「GP2」にするだとか、反対にもっと長い物が良いから「GP4」にするだとか、そういった形で自分好みの物を選ぶ、というのがおすすめのエルゴンの選び方だ。
サイクルグローブと組み合わせればさらに快適
私は夏用でも冬用でもサイクルグローブをいくつか持っている。
手のひら部分にパッドが付き、着用すればさらに手に対する振動吸収性が高くなる。
それに加えて走行中に万が一転倒してしまった際には手を守ってくれる役割も果たしてくれるのでおすすめだ。
エンドバー付きエルゴグリップと組み合わせれば物凄く手が快適になる。
参考までに私が持っているサイクルグローブでおすすめの物を紹介。
価格は高過ぎず、しっかりとした作りであると感じたものだ。
自分に合ったハンドルグリップを
今回の記事では自転車ハンドルグリップ界の帝王、ハイエンドモデルとも言える、
ERGONさまぁぁぁ!
について書いてきた。
自転車ハンドルグリップの世界にも物凄く多くの種類がある。
みなさまも自分に合ったお気に入りのハンドルグリップを見つけて頂ければと思う。
そのためにこの記事が参考の一つになれば幸いだ。
ご精読頂きありがとうございました。
コメント