私はフードデリバリー業界主要4社である、
- Uber Eats
- 出前館
- Wolt
- menu
すべてに配達パートナー(配達員)登録し、稼働している。
配達するにあたり注文アプリにはどのような情報や画面が表示されて、お客様にはどのように見られているのかというのを実際に自分で注文等して確認し学んできた。
そこでは各社でかなり大きな違いがあった。
特に気にしている配達員も多いであろう「配達員の個人情報」に関しては、例えばUberとWoltでは全く異なる。
この業界で1番配達員の個人情報が見られている会社がUber Eats であり、Woltはその対にあると言えるだろう。
Uber Eats やWolt、さらには出前館の配達員個人情報の見られ方に関しても別記事で詳しく書いたので、これらもよろしければ参考にして頂きたく思う。
今回の記事ではmenuの注文アプリに表示される配達員個人情報について書いていこうと思う。
非公開にするための設定は無く、Uberに近い物ではあるが何かと配達員に対する配慮を感じるシステムで個人的には良いと思った。
menuの注文アプリには配達員の顔写真と苗字が小さく表示される
まず配達員が一番気にするとすればここでは無いだろうか?
特に女性配達員にとっては注文者に顔写真と名前が見られているか否かは重要な事だと思う。
menu注文アプリには配達員の顔写真と名前が表示される。
ここはUber Eats と同じだ。
しかしながら注文アプリの画面を確認した私はUber Eats とは大きな違いを見つけた。
menuの注文アプリの場合、
- 配達員の顔写真は拡大できずに小さくしか表示されない
- わざとそうしているのか知らないがUber Eats と比べたら顔写真の画質が粗めになっているように感じる(ここは私の個人的な感じ方です)
- 配達員の名前は下の「名」ではなく「苗字」で表示される
顔写真や名前を見られ、知られる事を気にしている配達員は確認してみると良いかもしれない。
下記画像のように本当に「最低限載せていますよ」といった感じでスマホ画面の一部に小さく顔写真と苗字が載っている状態。
私自身もこれならデカデカと鮮明に載るよりかは、個人情報の扱いを気にしている人たちにとっては全然良いのではと感じた。
表示される名前に関しても、下の名前の方がより深く自分の事を知られている感じがする配達員も多いのではないだろうか?
ネガティブな捉え方をするなら少し馴れ馴れしい感じもする。
苗字のみであれば仕事のために最低限表示されているというネーミングというイメージを個人的には受ける。
配達員評価率が表示されない
menu注文アプリも仕様が変更されたことにより、配達員評価率というのは表示されなくなった。
ただし配達するのに使う配達員自身のクルーアプリでは評価率というのは表示される。
ここについても別記事で詳しく書いたのでよろしければ参考にして頂きたく思う。
別記事でも書いたがこの評価システムというのはどうしても配達員には否が無い中、お客様の一方的な判断で低評価を付けられたりする事もある。
そして評価率が下がり、その下がった評価率を他のお客様にも配達員の「看板」として公開しなければいけないとなると、それはなかなかに辛い物があると感じている配達員も多いのではないだろうか?
配達員からそういった不満の声が多く上がったのか、
menuでは配達員評価率をお客様に対して公開しない仕組みに変更した。
注文アプリには評価率の数値は表示されない。
これならば訳も分からず低評価が付いて評価率が下がってしまったとしても、別のお客様には「看板」として公開されずに済むため配達員のストレスは大幅に軽減されるだろう。
この注文アプリに配達員評価率が表示されないという仕組みにも、menuという会社の配達員に対する配慮を凄く感じた。
ただ配達員自身では引き続き評価率は見れるため、そこでの責任感の感じ方というのには変わりはない。
よって評価率で凹んだりする事等もあるかとは思うが、他のお客様には公開されないと思えばウンとストレスは軽減されるように思う。
ランクが表示されるのはAランク以上の場合のみ
どれだけmenuで頻繁に、また定期的に配達をしているかを示すのがmenuのランクではあるが、
Aランク以上の配達員(AランクとSランク)のみランクが注文アプリに表示される。
つまりBランク以下(BランクとCランク)の場合は何も表示されない。
先ほど紹介した画像の配達員はAランクが表示されている。
注文者としてはAランク以上の配達員の方が安心出来る部分もあるかもしれないが、
例えCランクであっても「Cランク」とは表示されないのは配達員としてはありがたいところ。
ランクは評価率とは全くの別物だが、注文者側に「C」の文字が表示されてしまうのは配達員としてはイメージ的に嫌だと感じるのが普通だと思う。
注文する側のお客様だって評価率とは全くの別物であるmenuランクの仕組みをどれだけ理解しているか分からない。
わざわざ仕組みを詳しく調べているお客様の方が少ないだろうと感じる。
となればもし「Cランク」の文字が表示されてしまったとしたら、
お姉さま
この配達員さん大丈夫かしら…
なんて思われてしまう事になりかねない。
たとえベテランのmenuの配達員さんであっても、しばらく配達していなかったらランクというのはどんどん下がっていく。
慣れていて本来は非常に信用できるベテラン配達員さんであっても、ランクが低くなるケースはあるという事だ。
そういった意味で、
「Bランク」と「Cランク」の場合は何も表示しない
という形にしてくれている所に、menuの会社側の配慮を感じる。
マップ上で配達員位置情報が「おおよそ」の位置で表示される
Uber Eats 注文アプリの場合での配達員位置情報の見られ方についても後述させて頂くが、その前にmenuの場合での配達員位置情報の見られ方について書かせて頂くと、
menuの場合は、配達員位置情報が「何メートル置き」とか「何十メートル置き」のように、「おおよそ」の位置で表示される。
ちなみに私は業界主要4社全ての注文アプリで配達員位置情報の見え方をチェックしてきたが、出前館が最もおおよその位置情報が見えるという形であり、Uber Eats が最も細かいちょっとした動きまで見えるようになっていた。
位置情報が細かく見える方から順位にすると、
- Uber Eats
- Wolt
- menu
- 出前館
このようになっていた。
menuの場合は配達員位置情報が注文アプリのマップ上で「リアルタイムで素早く動いていく」というよりも「一定のタイムラグを持たせたながら何十メートル置きで位置情報が動いていく」、そういったイメージだ。
Uber Eats と比較した場合
Uber Eats と比較した場合の話にはなるが、Uber Eats の場合は、
- 顔写真をデカデカと大きく拡大可能
- 顔写真が非常に鮮明
- 私の場合は下の名前がローマ字表記で表示されている(漢字表記の配達員もいた)
- 配達員評価率・累計配達件数・配達を始めた年月が表示される(新人配達員さんに不利に働きやすい)
- 配達員位置情報がリアルタイムで細かい動きまで見える
(menuのような何十メートル置き等でおおよその位置情報が表示されるような物では無い)
Uber Eats の場合はこのように表示される
私もUber Eats でいくらか配達した後に初めて注文し、確認した時には驚くとともに結構なプレッシャーも感じた。
ここまで見られていたのかと。
繰り返しになるが具体的には冒頭で紹介した別記事で書いたのでよろしければ参考にして頂きたく思う。
配達マニュアルにもこの個人情報の表示のされ方、扱われ方は特に書かれていなかった。
知らずに配達している女性配達員がこれを後から知った場合には結構ショッキングな事かもしれない。
位置情報に関しては下のツイートがすべてを物語っているかもしれない。
イケメンであるかどうかはさておき、このような画面で細かい動きまで見れるから、そこに面白み等を感じてずっと位置情報を見るお客様が出てきてもおかしくは無い。
この画面だと配達員としては悪気が無くとも、何か少しでもイレギュラーな動きをしたらお客様に何か誤解を与えるかもしれない、というプレッシャーはかかると思う。
まだ注文者目線を知らずにUber Eats 稼働をしているという方々には、これらの事実をしっかり知っておいてほしいと思う。
このネット社会において個人情報の扱われ方というのは十分知っておいた方が良いだろう。
menu注文アプリの欠点は注文履歴上に配達員個人情報が残り続ける事
menu注文アプリに表示される配達員個人情報は確かに小さかったりしてくれるわけだが、
欠点と言えるのは注文アプリの注文履歴上に配達員個人情報が長く残り続ける事。
ここはUber Eats の方が良いと感じる。
なぜならUber Eats の場合、注文履歴上ではすぐに配達員の顔写真は見れなくなる(名前は残る)。
例えばmenuの場合、私の注文アプリでは10か月前に注文した時の配達員個人情報がアプリにまだ残り続けている。
小さい表示ではあるとはいえ履歴に残り続けるというのは、顔写真の事を気にしている配達員の方々にとっては正直かなりキツイのではないかと感じる。
特に理不尽に低評価を付けられてしまったと感じるお客様の注文履歴上にも、自分の個人情報が残り続けるのはかなりキツイ事ではないかと感じます。
個人的にはここは改善して欲しいと感じる点です。
おわりに
Uber Eats の仕組みも現時点ではの物であり、これからどのように変わっていくかは分からない。
menuだって以前はもっとUber Eats に近い表示のされ方であった。
「配達員個人情報の扱われ方」という観点から見ると個人的にはUber Eats のシステムは厳し過ぎるように感じるが、
「スムーズに焦らず料理や日用品などを配達するための仕組みがどれだけ構築されているか」という観点から見るとUber Eats のシステムは本当に素晴らしい。
各社の配達員用のアプリを使い配達を経験してきた方達にとっては、Uber Eats のドライバーアプリは「スムーズに焦らず料理等を配達するため」のアプリとしては業界一使いやすい、ストレスフリーなドライバーアプリと感じていると思う。
具体的にはUber Eats ドライバーアプリの場合、
- 早押しでは無く個人個人にオファーを順々に送ってくれる
- 状況に応じた効率の良いルートのオファーが多い
- 受け取り予定時刻やお届け予定時刻も設定されない(焦りにくい)
- お店での待ち時間も発生しにくい
- 地図は見やすく使いやすい
- アプリの操作は分かりやすくてサクサク動く
といった所だ。
追記
Uber Eats では「配達依頼レーダー」が始まっており、早押しのシステムが始まったと言われたりもしていますが、Uber Eats 公式の説明によると実際は早押しでは無いとの事です。
Uber Eats からの公式メールでの説明文を下記に掲載させて頂きます。
しかしながら配達員の個人情報の見られ方に関してはUber Eats 以外の他社の方が配達員の事を考えてくれていて優れているように感じる。
その一つとしてmenuの注文アプリに表示される配達員個人情報の事を今回書かせて頂いた。
配達員のみなさんにとって少しでも参考になれば。
ご精読頂きありがとうございました。
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