Uber Eats のシングル配達(1件配達)時の最低報酬額が2024年春頃に「320円」となってから、だいぶ時が経った。
「320円」の各数字に文字を当てはめて「みつお」と言われたりもしているが、このみつお(320円)時代の配達報酬に対して感じている事は、配達パートナーによってかなり分かれているのではないだろうか。
Uber Eats では配達稼働している方達の事を「配達パートナー」と呼びます。
例えば私のように、関東の中心部から何十kmも離れた郊外エリアや、地方のエリアで稼働しており、
なおかつかつての「なんてったってスリコ(300円)時代」を経験している自転車配達パートナーの方々であれば、今の報酬は決して悪くないと感じていると思う。
「なんてったってスリコ時代」については詳しくは後述もするが、自転車配達パートナーの報酬額がほぼ全ての案件で「300円」に固定されていた時代の事だ。
ちなみに「なんてったってスリコ時代」は私が勝手に考えた言葉です。
「スリコ」という言葉に関しては、配達パートナーみなが使っていたおなじみの言葉です。
対して、そのかつての自転車配達パートナーの「なんてったってスリコ時代」とは無縁であった、バイクや軽貨物の配達パートナーの方々であれば、今のみつお時代の報酬は安いと感じているケースが多いかもしれない。
今回の記事では、「なんてったってスリコ時代」を経験している関東郊外エリアの自転車配達パートナーである私から見た、今のみつお(320円)時代のUber Eats 配達報酬について書いていこうと思う。
Uber Eats 配達報酬の仕組み
スリコ時代とは公式サイトの説明が少し変わっている。
2025年1月時点での報酬の仕組み関するウーバー公式サイトでの説明は次のようになる。
これが2025年1月時点の公式サイトでの説明だ。
ちなみにこれに加えてほとんどのエリアでは「クエスト」という、配達件数をこなしていく事によるインセンティブ報酬もある。
参考までに私のクエストに関する詳細な内容を画像で紹介。
このような感じだ。
指定された一週間の間に配達件数を積み重ねていく事により、各件数の段階でクエスト報酬が発生する。
例えばこの画像で言えば、30件配達をこなしたら2250円のクエスト報酬がもらえる。
「2250(円)÷30(件)=75(円)」
なので一件当たりに換算すると「75円」の追加報酬になるという事だ。
なんてったってスリコ(300円)時代とは
かつての「なんてったってスリコ時代」については過去記事で詳しく書いた。
この記事内でも書いたが、この時代は私のような郊外エリアの自転車配達パートナーの報酬額が、ほぼ全ての案件でスリコ(300円)となっていた時代。
それも300円というのはシングル(一件)配達時の最低報酬額であり、ダブル(2件持ち)といった複数件分の商品をまとめて運ぶ「同時配達案件」に関しては、2件目以降の最低報酬額が「100円」となっている状況であった。
ぐぬぬ…
件数をこなしていく事によってもらえるクエスト報酬があるとはいえ、「100円」の報酬額はなかなかの「ぐぬぬ報酬」と言えるのではないだろうか。
この時代のシングル配達は、スマホに入るオファー画面で300円の額が表示され、配達調整金もほぼ付かず、どうしたってスリコと言える状況にあった。
みつお(320円)時代に入って変わった事
みつお時代に入ってからも、その時その時によって違いというのはあるが、2024年11月〜2025年1月にかけての冬の時点、関東郊外エリアの自転車配達パートナーである私の状況を書くと次のようになる。
オファーの入り(スマホの鳴り)が良くなる
自転車はスリコ (300円)という報酬に下げ、バイクは高報酬でオファーの入り(スマホの鳴り)も良く優遇されていた、という時代が長くあった。
オファーが入った時、スマホが鳴って音でも知らせてくれます。
なのでオファーがよく入る時は配達パートナーの間では「鳴りが良い」と言い方をされています。
この頃の自転車配達パートナーの鳴りというのは非常に悪く、繁華街から近場のエリアの短距離配達しかほぼ鳴らない、という状況があった。
ちなみにこの状況で効率良く稼ぐ方法は全く無かったのか?と言われれば、決してそうでもなかった。
そのあたりは別記事で詳しく書いたので、よろしければ参考にして頂きたいと思う。
そうして優遇をしてバイク配達パートナーを一気に増やした後に、やはり今度はバイク配達パートナーの報酬の引き下げをUber Eats は徐々に行っていった。
その頃には自転車はもうすでに激減しており、そして今度はバイクの方達もやはり減っていった。
一時はあんなに街中にあふれていたバイクの方々はどこに行ったのかと感じるほどに、私の街でもバイクの配達パートナーを見かける機会が大幅に減ってしまった。
そしてその影響をはっきりと感じられるほどに、また自転車のオファーの入りが復活してきた、また鳴りが良くなってきた、という状況だ。
短距離配達の案件のみならず、中距離、さらには総距離5km以上といった自転車としては長距離配達の案件も入ってくるようになった。
もしバイク配達パートナーが足りているのなら、そんな長距離案件を自転車配達パートナーに割り振る理由が無いはずだ。
配達距離が長くなるにつれて報酬が上がる
「スリコ時代」というのは先述もしてきたように、私から言わせて頂くと「なんてったってスリコ時代」となる。
つまり配達距離に関係無く、ほぼ全ての案件が「300円」だ。
その分、中距離や長距離配達の案件が入ってくる事が非常に少なかったが、たまに入ってくる中距離や長距離の案件でも「300円」の数字がスマホのオファー画面に表示される事があった。
その時私は、思わず笑ってしまっていた。
もちろんその場合、私はスマホが割れんばかりの勢いでオファーの拒否ボタンを押していた。
一回押せば良い拒否ボタンを、下記画像のようにスーパー連打していたのだ。
配達調整金が付くケースが出てくる
「なんてったってスリコ時代」ではやはり、配達調整金が付くケースに関してもほぼ無かった。
お店で調理待ちしようが、商品の受け取り先やお届け先が移動に時間を要する大きな建物であろうが、300円。
たま〜に20円とか30円といった微々たる調整金が付く事があったが、ほぼ300円。
・それでも300円
・どうしたって300円
・なんてったって
300円
であった。
しかしみつお時代に入ってからは、ちょくちょく調整金が付くというケースが出てきた。
決して頻繁に付くわけでは無いが、長い調理待ち時間が発生した時や、道が混み合っていてお届けに時間がかかった時など、50円~200円程度といった調整金が付くケースもちょくちょく出てきたのだ。
なんてったってスリコ時代ではありえなかった事だ。
ちなみにだが、スリコ時代であっても調整金がきっちり付いている時期というのは一時的にはあった。
例えばスリコ時代の末期では昔(スリコ時代以前)のように調整金がきっちり付いていた事があった。
その時の私は、あまりに久しぶりのちゃんとした調整金で涙が止まらず、その感動の気持ちを思わずX(旧Twitter)の方でポストした(下記参照)。
あまりに悪天候だと鳴らなくなってしまうという逆転現象が起きている
しかしながら、そういった内容で自転車配達パートナーの鳴りが良くなったというのが意味する事は、バイク配達パートナーの数が減ったという事。
自転車配達パートナーはかつてのスリコ時代でとっくに離れまくっている。
この記事で紹介してきたような自転車配達パートナーの状況の改善により、また街中で自転車の方々を見かける機会がだんだんと増えてきてはいるが、それでも大幅に増えたとは感じない。
となれば「極寒である」といった悪天候の日になれば、配達パートナー不足でまともに仕事を回せなくなり、オーダー数を制限しながらの受注状況になるのでは?と私は感じていたが、その嫌な予感は的中してしまったように感じる。
昔であれば極寒の日ともなれば、とにかくオファーが入りまくり、つまり「鳴りまくり」という状況であった。
寒すぎて外に出たがらない方々が、一気に注文をして需要が大幅にアップするからだ。
しかし2024年〜2025年にかけての冬に関しては、ある程度暖かい日や時間帯であれば良く鳴るが、寒くなりすぎると非常に鳴りが悪くなる。
とっても寒いのにびっくりするほど鳴りが悪い。
スマホがぶっ壊れたのかというほどに鳴りが悪い。
というほどにオファーが入りにくく、スマホの鳴りが悪くなるのだ。
私なんかは他社の「出前館」「Wolt」「menu」にも登録して稼働しているため、全体の配達員不足の状況を特に感じ取りやすいという状況にある。
業界先駆者であり、多くの配達パートナー登録者数を誇る「Uber Eats 」の配達パートナーが、なかなか稼働をしようと出てこず不足しているという事は、他社の配達員も不足しがちであるという事。
この業界のサービスは複数の会社を掛け持ちし、兼業している配達員の方々で成り立っているようなものだからだ。
Uber Eats 、出前館、Wolt、menu、各社の配達員用アプリと注文用アプリで状況を確認している、郊外エリアの自転車配達員の方々であれば、最近の極寒の日がいかに業界全体として配達員不足になっているのかが分かりやすくなっている状況のはずだ。
注文出来るエリアや加盟店数を絞り込んだりもしている。
配達稼働をしていると、まるで各社が裏で繋がっているかのように、あるタイミングで「ピタッ」と全ての会社のオファーの入りが止まる、鳴り止む、という時がよくある。
そういう経験を何度もした事があるという配達員も多いはずだ。
そして時間が経つと同じようなタイミングでまた各社の注文が入り始める。
そこに関しても受注数をコントロールしている事を感じ取りやすい場面と言える。
なぜ明らかな配達パートナー不足なのに報酬がなかなか上がらないのか
本来のダイナミックプライシング(価格変動制)の仕組みから考えれば、配達パートナーが不足していれば報酬単価はきちんと上がるはずだ。
しかし明らかな配達パートナー不足でもUber Eats の報酬単価がなかなか上がらない。
なんでやねん。
あくまで私個人の勝手な推測だが、報酬単価をしっかり引き上げて配達パートナー数をまた増やし、まともにガンガン営業出来るようにした所で、Uber Eats からすればそれでは人件費がかさむばかりで赤字となるような案件が増えてしまい、利益を出すのが難しくなるという判断をしたからではないだろうか。
注文出来るエリアや加盟店数に制限をかけたりして受注量をコントロールしながら、会社として利益を出せるような報酬単価で運んでくれる配達パートナーに配達をしてもらう、という形に出来るだけする。
そしてそういった中でもどうしても配達パートナーがマッチングされない、決まらないような案件に関しては高額な報酬にする。
高額報酬の案件とは、いわゆる配達パートナー界隈で「マグロ(高額報酬)」や「クジラ(超高額報酬)」と言われる案件だ。
そうしたやり方の方が、会社側としてはとりあえずは得策だと判断しているのかもしれない。
これはあくまで私個人の勝手な推測です。
私はとっても勝手な推測ちゃんなのです。
「なんてったってスリコ時代」を乗り越えた自転車配達パートナーが報われてきたのかもしれないわよ
この記事で書いてきたようにまだまだ不安定な状況ではあるものの、なんてったってスリコ時代と比較すれば自転車配達パートナーの状況は改善されたと言える。
私と同じように今までずっと自転車で稼働してきた方々からすれば、ある種の地獄の時代を乗り越えたような気持ちになっているかもしれない。
ただ当然ながらバイクや軽貨物の配達パートナーの方々がいないと、このビジネス自体が成り立たなくなってしまう。
バイクや軽貨物の方々の状況もまた改善されていく事を強く願っている。
もちろんこれからどのように状況が変化していくかは分からないが、とりあえず今の私の状況をこの記事では書かせて頂いた。
配達パートナーの方々の参考に少しでもなればと思う。
ご精読頂きありがとうございました。
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